海辺の公園

赤い公園のファンブログです。

1stアルバム『公園デビュー』

全体

今更

自分は「オレンジ」「pray」の次ぐらいにYouTubeで触れた曲で、正直最初は変な曲だなと思っていた。芝居がかったヴォーカル、謎のダンス、意味不明の歌詞、最後走り去ってしまうメンバー。何回か見たが、見るたびに画面の前でぽかんとしてしまった。
しかしこれが癖になるというか、いつしか好んで見るようになっていた。たぶんこの辺りで自分は赤い公園というバンドを好きになったなと思った。その一、二週間後ぐらいに解散が発表された。その時はただ仕方ないことだろうとだけ思った。まだその程度だったから。
じゃっ、じゃっ、じゃっ、じゃっ、というギターのイントロから静謐なAメロへ、そこから緊張感のあるBメロへ。ちょっとためて、爆発するように「バックオーライ」のサビに入る、緩急の使い方とための解放がほんとうに見事で、慣れるとこれが何度も味わいたくなる。
落ちサビから、もう一回ダメ押しの爆発があってメンバーが走り去り、ギターのアウトロが余韻を残して終わるまで全部で3分足らず。メロディやアレンジも素晴らしいが、おそろしい構成力だと思う。

のぞき穴

つぶ

タイトルといい歌詞といい序盤の伴奏といいシンプルというかアブストラクトという感じの曲。一番では左耳からベース右耳からギターで、二番ではそれが逆になっている。どちらかというとベースメインでギターが添え物っぽいのはいかにもこのバンドらしい伴奏。
サビでは一気に楽器が増えて分厚い音になるのだけど、ここの響きがなんともやわらかいところがすごくよくて、聞いていて気持ちいい。二番のサビの後はめちゃくちゃあっさり終わる。二分も経っていないのに、まあやりたいことはやったし、と言わんばかり。

交信

体温計

もんだな

急げ

カウンター

疾走感あふれる2分少しの曲だが、ちょっとずつ意外な構成をとっていておっと思いながら聴く。AメロからBメロに行くところ、コーラスが入ってすぐに「みーのってゆくもの」と先へ進む。2回目のBメロではギターがちょっと不思議なフレーズをずっと奏でていて耳にひっかかる。
サビはそれこそフェスに来る海外のスリーピースバンド(二番目のステージの午前中とかに出てる)みたいな全力疾走で好き。そこから落ちサビまでの短い中間部も楽しいし、落ちサビでドラムとベースだけになるところのカッコよさたるやない。
ロックンロールを手のうちに入れているし、それでいてトリッキイでポップで、個人的にはかなり好きな曲。これはライヴで、佐藤さんのヴォーカルで聴いてみたかった。

贅沢

キーボードとアンデス(仮)*1がメインでギターはラスサビにちょっと入ってるだけなのかな。ドラムが面白い使われ方をしていて、特にAメロは1番も2番もこれどう来るんだという入り方をして楽しい。沸騰が近いお湯の揺れ方のような。
アンデスはかなり細い音で高い音程を奏でて、ちょっと剽軽な、それでいてなにか切なく懐かしい音で胸に迫る。一方で佐藤さんはこの曲はかなり明るく歌っていて、歌詞にはそこはかとなく不穏なところがあるのでちょっと狂ってる感じがする。
ぱっと聴くと童謡っぽい要素がいくつかあるんだけど、こんな童謡はないかなとも思う。「毎晩内緒で時計の針をずらす」という歌詞は物語が感じられて好き。

くい

インタビューとか

インタビューのページに移しました。

MV

今更

https://www.youtube.com/watch?v=HvO8QXTZxts
なんとも奇妙なMV。千葉県の牧場で撮ったそうで、よく見ると途中で左後方に馬が見えたりする。演奏する→踊りながら後ろに下がる→また楽器のところで演奏する→交代する→踊りながら下がる→もう一度交代する→道に出て走っていく、という流れなんだけど、途中の交代のところでは実際に影武者に交代している。最初、というかけっこう長いことこれが影武者であることを全然わかっておらず、なにかそういう撮影技術なんだと思っていた(カイリー・ミノーグの「Come into My World」みたいな)。ほえー最近の映像技術はすげえぜと思い込んでいたのだが、影武者だと聞いて納得すると同時にそれはそれですげえなと思った。ルックスの寄せ方がすごくないですか。

振り付けは入手杏奈氏。津野さんの影武者もこの人が演じているとのこと。→https://twitter.com/nnaeii/status/1318386070086504451
ダンスがけっこう難しいのでメンバーはスタジオに入ってダンスだけ練習したりもしたらしい。

交信

*1:リコーダーぽい音を奏でている楽器、鍵盤リコーダー(鍵盤ハーモニカに笛がついているやつ)ではないかという説がTLで出て、それの商品名がアンデスらしい。→andes 25F | 鈴木楽器製作所