海辺の公園

赤い公園のファンブログです。

メモ:飛ぶ鳥を落とす勢い

赤い公園を後から遡って追っていると、特に序盤のスピードには圧倒される。結成が2010年(まだこの時全員高校生)、メジャーデビューが2012年で、2月と5月にミニアルバムをリリース。これは直接バンドではないけどSMAPの「Joy!!」が2013年6月、1stフルアルバムが同年8月。ドラマ『ロストデイズ』主題歌が2014年1月、2月と3月にその主題歌「絶対的な関係」と「風が知ってる」を立て続けにリリース。2014年8月のGIRL'S FACTORYに出演、9月にリリースした2ndアルバム『猛烈リトミック』が年末にはレコード大賞の優秀アルバム賞を受賞する。ほぼ同時期に深夜のラジオ番組を持つ。もはや飛ぶ鳥を落とす勢いどころか、あまねく空を飛ぶものはことごとく地に墜ち、人々はその死骸の間をそろりそろりと進む羽目になるぐらいになっていてもおかしくないと思うのだが、現実にはそうでもなかったようだ。
なにしろ以前のエントリにも書いた通り、自分自身この間普通に同じ国に暮らしてたはずなのだが、上に書いた出来事を本当にひとつも知らなかった。もともとテレビもあまり見ないし音楽もすっかり聴かなくなっているが、そのような者には赤い公園の音楽は届いていなかったのだ。

届いていた人から、赤い公園はどのように見えていたのだろう。もうひとつなにかきっかけをつかめば誰もが知る存在になる、ブレイク寸前のバンドみたいに見えていたんだろうか? それとも上記の活躍にもかかわらずまだ知名度は不十分で、最近はだいぶ名前も売れてきたけどね、と言われるぐらいのバンドだったんだろうか。きっとこのぐらいの活躍だと、まだまだ後者のような感じだったのだろうな。そう考えると東京ドームで公演を打てるようなバンドになるというのは本当に大変なことだ。いいものを作れば売れるというものでもないし、お金をかけてばりばり宣伝すれば売れるというものでもまたない。なにかそういうものを超えたところに行く末を左右する何かがあるのだろう。

どこかのタイミングでブレイクしていたとして、それが赤い公園にとって幸せだったかというと、ちょっとわからないところはある。少なくとも自分たちがどう消費されるかについてはより規模が大きくなり、よりコントロールが効かなくなっていく。それはきっとめちゃくちゃ大変なことだ。それでも、津野さんは最後まで東京ドームを目指していて、「バチボコに売れたい」って言っていた。どこかでちょっとした何かが違えば、それがかなったタイミングがあり得たんだろうか。それはやはり来なかった未来にしかなかったんだろうか。